ネットに噂されている「森のくまさん」は、連続殺人鬼だ。

被害者には共通点がない。

ネットには犯行声明が残される。

それは裁きだと主張するかのように。

ざっと感想を。向かい合ってターゲットとの

最後の会話から殺すまでの描写は丁寧で、きれい。

想像もふむふむとできて文のまとめかたにストレスなく、

一旦読みかけを時間たって、続きから読むと手がとまらなくなる。

最初の殺人の、民謡のように迫り、追い詰めるところは息を飲んだだけに、

中盤に入る前に既に犯人がわかってしまっただけに、

最期までとりあえず読むかという落胆があった。

もしかして、森のくまさんって。

そう思ってすぐに、犯人のわかる描写がある。

作者の意図かな。

意図なんだろうけど、犯人はラストまでとっておいてほしかった。

警察官になりたかった偽物が、

嘘を重ねてヒーローの裁きをしているといっていた。

ネットで警察官の制服を買ったといった。

そんなことしなくても、あんたはと。

登場人物の女性も、犯人にそれらしいことを言った。

みどころは、森のくまさんが結成され、

正則に内緒で裁きをしようと城之内をとらえているところ。

あと、↑に書いた最初の殺人で、ターゲットに迫って殺すまでの流れですね。

途中殺されることになったタクシーにのってきた女性の、

タクシー内のやりとりと、

部屋にある女性を招き入れるまでのところも、私のお気に入り。

でも、一冊を通して怖かったか?と

自問するならば、「No」で、ミステリーが好きなので読んだ。

続きもあるので読みます。という位。

ミステリーの中の、違ったテイストをごちそうになった感じです。